お香の個性と好み
チベット香には、インドなどのお香に見られる「銘柄ごとの強烈な個性」はありません。 ですのではじめてチベット香を焚いてみた方の中には 「いまひとつ (銘柄ごとの) 違いがわからない」 という感想を持たれる方もいらっしゃるようです。
しかしそういった方でも、ある程度焚き慣れると、やがてチベット香 それぞれの銘柄が持つ はっきりとした違いを感じ取られるようです。
違いがわかってくると、自然に 「自分の好みのお香」 というのが出てきます。
癒し系のお香ではこれ、精神集中系のお香ではこれ、お部屋の浄化にはこのお香、といった感じで焚くお香が決まり、その3〜4種類のお香を気分や状況、お部屋や時間帯によって焚き分けるという方が多いようです。
ただ、このときに注意して欲しいのは 「必ずしも最初に感じたお香の印象、好き嫌いの感覚が長く続くわけではない」 という点です。
たとえば、はじめてのお香に火を着けて 「あ〜、ちょっと苦手だな」 と感じることはよくあります。 けれども、少し時間を置いてふたたび(その同じお香を)試してみると 「あれ、こんな香りだったっけ?」 と新たなイメージに驚き、何度か焚くうちにはまってしまう・・・ なんてことが、チベット香では特によくあるのです。 とりわけ最初に 「癖がある」 と思って敬遠していたお香に後からはまると、何年もディープにはまり続ける傾向が強いように感じます。
一回焚いただけで好き嫌いを即断せず、時を置いてじっくりと味わい、新しい発見を楽しんでみるのもお香の楽しみ方のひとつだと思います。