白檀(サンダルウッド)
お香といえばまず 「白檀」 を連想される方も多いのではないでしょうか。それほど有名で人気のある香木です。
白檀とは
白檀とはビャクダン科の常緑小高木です。沈香が熱を加えない限り香りを発しないのと異なり、白檀は生の状態でも芳香を放ちます (精油成分が薫るため)。 そのことから、お香以外にも、(芳香を楽しむための) 扇子や彫刻などの素材としてしばしば使われます。
人類との関わりも非常に深く、紀元前5世紀頃には既に貴重な香木として認知、利用されていたようです。
白檀の産地
インド、インドネシア、オーストラリア、ハワイなどでの産出が多いようです。なかでもインド (特に南部のマイソール) の白檀は香りが高いと珍重されています。私の経験でも、インドの白檀は非常に上品で香りも強いように感じます。
なお、ネパール産のチベット香でも高級な白檀香にはインド産の白檀が多く使用されています。質の良いものをコンスタントに確保するのはなかなか大変なようで、メーカー側の仕入れコストもかなりの額になるようです。
白檀の効能
白檀も(沈香 と同様)漢方やアーユルベーダなどでは万能薬とされています。
- 喉への効果 ---
咳や喉の痛みによいとされています。去痰作用があるのは安息香と同様です。
- 心(神経)への効果 ---
鎮静効果が高いといわれており、精神を落ち着かせるのに向きます。
- 免疫機能への効果 ---
白檀の精油成分に含まれるアルファピネンという物質に免疫力を高める効果のあることが 近時、マウスの実験で明らかにされたそうです。
チベットでは古くから「お香が免疫力を高める」と認識されていたようで、その英知に改めて感心します。
- 浄化の効果 ---
白檀には抗菌効果があるそうです。そうした効果から古来 人々は 「白檀には浄化効果がある」 と認識していたのかもしれません。葬儀や火葬の際に白檀を焚く(インド、中国に端を発する)風習もこの浄化効果と関係があるといわれます。
是非お試しください
白檀と言うと 「なんだかお年寄り臭そう」 というイメージを持たれ、嗅がず嫌いをされている方も多いようですが、そういった偏見(?)を持たれている方も、本物の白檀のお香を試していただければきっとイメージが変わると思います。
もちろん チベットのお香以外にも よい白檀香はたくさんあります。特に日本のお線香にはすばらしいものがいくつもありますので、是非手近なもので一度 本物の白檀のお香を楽しんでみてください。
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